【設計】選んではいけない間取り① 吹き抜け編

家づくり

はじめまして。「ワタルしゃちょー」です。
23歳で1社目を起業し現在では12社を経営。
不動産投資を始めてわずか10年。
不動産収入が年間4億を超える不動産投資家でもあります。
日々の生活で得た知識やコツ、感じていることなどを発信しています。

今日のテーマは、
選んではいけない間取り①吹き抜け編です。
住宅展示場などに行くと、多くの家に吹き抜けがありますよね。

しかもとても大きな吹き抜け。

建物によっては二階の面積の半分は吹き抜けじゃないかというような建物も。
確かに吹き抜けはおしゃれです。

でもちょっと待ってください。本当にあなたの家にも吹き抜けが必要ですか?

今日は吹き抜けを間取りに採用する場合の注意点と、もし採用するならこうしたらいいというアドバイスをプロの目線でお伝えします。


では、細かく解説していきます。

1.吹き抜けのデメリット

吹き抜けのデメリット① 光熱費問題とその対策

まずは吹き抜けのデメリットからお伝えします。1つ目は光熱費です。

吹き抜けを採用する場合一般的には天井高は5.4m程度になるかと思います。通常の住宅の天井高は2.4mですから、約2.25倍です。

同じ床面積の部屋でも光熱費は2.25倍かかるのです。

特に寒い地域で暖房を使用する際の注意点ですが、暖かい空気は上に上がるため、吹き抜けのある部屋の場合はなかなか部屋が暖まらないということもあります。

もし寒冷地で吹き抜けを採用する際には暖房対策としてシーリングファンを設置しましょう

シーリングファンとは写真の大きなプロペラの付いた器具です。

おしゃれな喫茶店にあるイメージのシーリングファンですが、住宅展示場とかの吹き抜けのある家にもよく設置されていますね。

これはおしゃれだからつけてるだけじゃなくて、冬場の暖房使用時に、暖かい空気が上部だけに溜まらないように、空気をかき回す役目があるんです。

やっぱり大きな吹き抜けにシーリングファンはおしゃれで似合いますよね。

info

シーリングファンとは別の暖房対策として、床暖房の設置も考えられます。足元から温めることで、吹き抜けのある間取りでも暖かさを感じることができます。

吹き抜けのデメリット② 騒音

続いての吹き抜けのデメリット。それは騒音です。

このデメリットはリビングに大きな吹き抜けを設置した場合のデメリットです。玄関等での吹き抜けではそこまで気にする必要はありません。

リビングに大きな吹き抜けを設置する場合、その吹き抜けに寝室や子供部屋が隣接することも多いと思います。リビングと隣接するということは、リビングの音が壁1枚を隔てて直接寝室等に届いてしまうということになります。

せっかく素敵な吹き抜けのあるリビングでも、夜遅くにパパが帰ってきてテレビを見るのにも気を遣う。それじゃぁ台無しです。

対策

音への対策としては、

①壁の防音性能を高める。 
②吹き抜けに接する形で寝室等を設置しない。

等が挙げられます。
特に家族の生活時間帯がバラバラな家庭では注意してください。

吹き抜けのデメリット③ 建築費

続いての吹き抜けのデメリットは建築費です。

吹き抜けは床面積には算定されませんのが建築費としては普通の部屋を作るのと同程度掛かります

安くなった場合でも若干程度で坪単価で価格を算定する工務店や建築会社では通常の坪単価の×0.5~同額で計算されます。

設計や意匠によっては部屋として作るより吹き抜けのほうが高くなる場合もあります。

以下に吹き抜けを施工する際の費用の考え方を、同じ面積で通常の部屋を作った場合と比較してピックアップしました。

吹き抜けにすることで安くなる理由】

 (一般居室を施工した場合に比べて)

 ・床の工事がいらない
 ・建具がいらない
 ・エアコンやテレビの配線がいらない

【吹き抜けにすることで高くなる理由

 工事の際に足場が必要。
 ・天井や吹き抜けの壁部分の施工は足場の上で行うので通常より手間がかかる。
 ・構造上弱くなるので補強が必要になる。
 ・場合によっては周囲の柱や梁が太くなる。
 ・照明器具が高価になりがち。

限られた予算で納得できる家づくりを目指してる方にとっては、建物の大きさをどこまで最小限に抑えるかは重要な課題だと思います。

吹き抜けも通常の部屋を作るのと同じ程度近い金額が必要と理解し、吹き抜けを採用するならば同じ金額でもう1つの子供部屋や書斎やクローゼットも作れると考え、比較しながら自分に合った家づくりを進めてください。

吹き抜けのデメリット④ 維持管理

維持管理に関してですが、吹き抜け上部の手の届かないところのお手入れは非常に大変です。
サッシや照明器具の掃除がメンテナンスとして一生ついて回ります。

また、照明が故障したときや壁のクロスがはがれた場合。
業者に工事を頼んだ時に、工事には足場が必要になります。
通常の工事費に加えて、足場代や施工の手間から金額が高くなりますので、そのあたりもご注意ください。

2.吹き抜けのメリット 

吹き抜けのメリット① 高級感と開放感

これまでデメリットばかりお話ししましたが、そのデメリットを考えても、採用したくなる魅力が吹き抜けにはあります

吹き抜けの魅力といえばなんといってもその高級感ですよね。

この写真をご覧ください。

やっぱり吹き抜けがあるだけで高級感が増します。

こんなリビングなら毎日お友達を呼びたくなっちゃいます。

それにこの開放感!日々のストレスも吹っ飛びそうです。

吹き抜けのメリット② 採光性

続いて吹き抜けのメリットとして、採光性があげられます。
天井高が高いということは外部に接する面積も大きく、窓を多く設置できるというメリットがあります。

また、隣地の建物の影響で、1階への日当たりが悪く、部屋が暗いという場合にも吹き抜けを用いることで、効果的に高い位置から光を得ることができます

狭小地に建物を建てる場合どうしてもリビングが暗くなってしまうような時には吹き抜けを検討するのも良いかもしれません。

3.プロからの提案 

プロからの提案① 天井高を高くする折上天井

メリットデメリットに関して説明しましたが、それでも間取りに吹き抜けを取り入れたい方へ。

僕がお客様に提案する「こんな吹き抜けはどうですか?というアイデアを皆様にお伝えします。

吹き抜けに求めているのは高級感という方へ

吹き抜けの代わりに天井高を高くする折上天井というのを採用するのも良いかもしれません。

ドーンと5.6m まで天井高を上げれば確かに高級感はありますが、そうじゃなくても、30 ㎝ 程度天井を上げるだけでもこの写真のような高級感は生まれます。

この程度の折上天井であれば空調効率にはほとんど影響もしません。それに建築コストとしても吹き抜けに比べれば大した増額もありません

折上天井 当社施工例

プロからの提案② 天井高を高くするプチ吹き抜け

続いて折上天井では希望するような吹き抜け感が感じられない。
高所からの明かりを取りたい!

そんな場合にお勧めするのはスキップフロアを用いて天井高を確保する方法です。

スキップフロア 当社施工例

この方法では天井高を3.6mほどまで確保することができます。3.6 mの天井高があれば十分な高級感を感じることができるでしょう。


また、梁上にH600程度のサッシも設置することができ高所からの採光も期待できます。僕はこの方法を「プチ吹き抜け」と呼んでいます。

プチ吹き抜け 当社施工例

この方法のメリットとしては、吹き抜けを用いた上部にも部屋を配置することができるので、吹き抜けを用いることで他の部屋が狭くなることを懸念している方にもピッタリな方法だと思います。

(この「プチ吹き抜け」は非常にお客様の満足度も高い設計なので、詳細に関してはまた別記事にてお伝えしようと思います。)

また 通常の天井高2.4 m に比べ体積は1.5倍程度です。
5.6 m の天井高を採用すると体積が2.5倍になることを考えれば、光熱費の負担も少ないと言えるでしょう。

メンテナンスに関しても3.6 m 程度であれば踏み台等を使って行うことができるのではないでしょうか。

プロからの提案③ 一部のみ吹き抜け

続いての提案は小さな吹き抜けの提案です。

小さな吹き抜け 当社施工例

リビングに1.8m四角の約2畳の吹き抜けを取り入れるだけでも、明るさを取り入れたり、ちょっとした開放感の演出になると思います。

小さいので、様々なデメリットに関してもそれだけ小さくて済みます。

プロからの提案④ その他

そのほかにも、リビングの上に部屋がない設計の場合、や平屋の場合ですが、屋根の勾配を使ってリビングの天井を勾配天井にして高さを出すという方法もあります。

勾配天井 当社施工例

また、吹き抜けの周りを廊下にして、廊下を腰壁にすることで吹き抜けの奥にも空間の広がりを持たせ、開放感を演出するのもいいですね。

まとめ

この記事を読んだあなたはある程度吹き抜けに対して理解が深まったと思います。


そのうえで吹き抜けを採用されるということでしたら、せっかくですのでいろいろな工夫をこなし、吹き抜けの魅力を最大限発揮できるよう照明や家具やカーテンにもこだわってみましょう。

吹き抜けだから設置できる高さのある照明やシャンデリアは吹き抜けならではの特権ですね。また、家具やカーテンに関しても通常の住宅では設置できないようなおしゃれなものを設置できるのでいろいろ工夫してみてください。

これからも当ブログでは住宅に関する様々な情報をお届けしていきます。よろしければほかの記事もご覧になって、最高の家づくりを目指してください!ワタル社長でした!

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